「至誠」を社訓に短納期、全数良品の提供に努める
産業用ロボットの需要拡大に対応する
創業から50年以上にわたって「至誠」を社訓に、精密機械部品を製造してきました。近年は産業用ロボットの需要が増え続けており、生産量の拡大と納期短縮を目的に加工用部品の購入と専用治具の開発を進めました。
具体的にはアームと呼ぶロボットアームの切削加工に我が社として初めて取り組みました。NC旋盤とマシニングセンター(MC)という工作機械を使う加工工程を分割し、同時並行で行うことで納期短縮に成功しました。

治具の設計は3次元CADを使って
長さが600~700ミリメートルのアームを加工するためには、振れ止めと呼ぶ固定部品が必要になります。これまで1台分しかなかった同部品ですが、もう一つ追加購入しました。2台の旋盤で同時加工し、MCでの穴加工を短時間で行う工夫も施しました。
固定用の専用治具も独自に製作しました。設計に関しては3次元CAD/CAM( コンピューター利用設計・製造)を利用して精度を高めたことで、安定的に量産できるようになり、2度の試作評価を経て、3度目で量産を実現できました。

納期短縮に成功
ロボット市場の拡大に伴って受注も増えました。かつてアームの月産は5個程度でしたが、今では月産100個前後にまで伸びました。納期についてもほぼ1週間と半減できるようになりました。それまで遠方で加工していたものが当社でできるようになったことから、随分とスピードアップできるようになりました。
当社は少数精鋭に徹し、短納期や全数良品の提供に努めています。新規設備を更新し続けることで精密加工が要求される分野で、今後も顧客ニーズを満たしていきたいと考えています。

精密加工が必要な分野への対応も
補助金を利用した経緯は?
産業用ロボット部品の量の拡大と納期短縮が目的です。加工時に治具である振れ止めは欠かせません。またMC加工用の治具を作成する必要もありました。
ロボット以外の分野でも利用は可能なのでしょうか?
特殊品のため今のところ応用は考えていませんが精密加工で必要なものがあれば対応したいと思います。
設備投資を今後どのように活かしていきますか?
機械加工業にとって最も大事なことは信用です。精密加工が行え、納期が短く、迅速に対応できるということが何より重要です。設備の更新はそのためにも大事なことだと考えています。

ここがポイント
- 多くの工夫で発注先から信頼を得る
- 2台のN C 旋盤とM Cでの穴加工を同時並行で行うことで短納期を実現しました。
また固定用治具を自社開発することで、発注先からの信頼を勝ち取ることもできました。

会社概要
- 代表者
- 代表取締役 中嶋 英二郎
- 所在地
- 〒811-4222
福岡県遠賀郡岡垣町大字戸切379-1
- TEL
- 093-283-3030
- FAX
- 093-283-3028
- 業種
- 機械加工業
- 資本金
- 3000万円
- 創業
- 1964年10月
- 社員数
- 113人
