木型の生産能力を高め、多品種少量製品への対応を強化する
木型をより早く作るニーズ
製品はプラスチックトレーで、食品や工業製品の収納に使われています。成型に使うのが木型です。加熱した素材を木型に当て、木型に空けた穴から空気を抜くことで型に密着させて形を作ります。
木型は金属製より早く作れます。さらに軽いため成型機へのセットなどの取り扱いも比較的簡単です。そんな理由から多品種少量のトレーに適しています。最近はインターネットなどで当社を知った方から製作依頼が増えています。そこで製作時間を短縮したいと考えていました。

新型NCルーターを導入する
木材を削って木型を作る、新たなNCルーターを導入しました。ものづくり補助金の存在は活用企業から聞き、中央会の説明会にも行きました。書類の作成には経営革新計画や新連携での経験を活かせました。
新しい機械の導入で加工が早くなっただけでなく、大きな型が1回の加工でできるようになりました。従来は大きな型は半分ずつ加工しなければなりませんでした。型の大型化は1回の成型で、より多くの製品が作れるというメリットがあります。

加工時間の短縮と対応力の向上
具体的な目標値を定めていませんでしたが、形状によって異なるものの5~15%の短縮に成功しました。また外注することもなくなり、外注費用を削減できています。
従来頼んでいたトレーメーカーが作れなくなったので頼めないかといった急ぎの注文を受けることもあります。型は通常、計画的に順番を決めて製作しますが、そんなときは順番に割り込むことになります。生産力がアップしたので緊急事態への対応力が上がりました。
NCルーターの機種選定では、従来使っている加工機と同じメーカー製にしました。慣れた操作で使えるためで、加工時間の短縮にもつながりました。従来使っているルーターも現役です。必要に応じて使えるようにしており、生産能力に貢献しています。

製作の引き出しを増やす
最近は容器以外の製品も手がけています。
緩衝材として採用されており、需要を伸ばせる可能性が出てきました。衝撃吸収の機能を果たす設計が重要で、顧客とコミュニケーションを取りながら作っています。
従来の緩衝材とはどのような違いがありますか?
発泡スチロールなどと比べて保管時に重ねられることで場所を取らないというメリットがあります。
新しいNCルーターをどのように生かしていきたいですか?
メーカーとしてできることの引き出しが多くなりました。当社は、お客さんの要望によって鍛えられる面があります。できるだけ多くの場数を踏んでお客さんの要望に応えたいと思います。

ここがポイント
- 対応力を高め仕事の幅を広げる
- 生産能力を高め、仕事の可能性を広げる木型の強みは、使い勝手の良さと型の作りやすさで多品種少量に適したところです。特に急な注文が舞い込むこともある最近では型製作の対応力が問われます。今回の新たなルーター導入は、そんな対応力を高めるだけでなく仕事の幅も広げそうです。

会社概要
- 代表者
- 代表取締役 大野 繁治
- 所在地
- 〒821-0012
福岡県嘉麻市 上山田211-51
- TEL
- 0948-53-0097
- FAX
- 0948-53-2957
- 業種
- トレーおよび包装資材の製造
- 資本金
- 1000万円
- 設立
- 1970年8月1日
- 社員数
- 33人
