優秀な機器の導入で人海戦術型曲げ加工から脱却

手術室内の高品質板金部材の受注拡大

当社はステンレスやアルミなどの板金加工を手がけています。オーダーメードを基本に厨房ちゅうぼう設備や医療機器のシンクやタンクを製作します。1ミリメートルから6ミリメートルまでの厚さが最も得意な加工です。
12年前から手術室用のクリーンファンユニットの外観製作を受注しています。天井に設置するため軽さと気密性が求められます。改装工事では天井のはりや配管をよけるためオーダーメードが基本。材料の厚さは0.8ミリメートルと薄いものです。

最新ベンダー機の導入による加工工程の効率化

曲げ加工機を足で踏み、圧力をかけることで材料を曲げます。ただ、1回で求められる精度を実現できず、ハンマーなどで微調整する曲げ直しの作業に時間を要していました。そこでアマダ製の最新ハイブリッドベンダー機を導入しました。
大きな特徴は「ステップベンド」という機能です。1台の機械に金型を複数設置できるため、金型を取り換える段取り作業が不要になり、作業工数を大幅に削減できます。工場間の材料輸送も工夫し、板の変形を防ぎました。

製作時間短縮により受注量拡大の基盤構築

金型交換の段取り作業が不要になり、1枚の板を1台の機械で効率良く加工できるようになりました。溶接作業者への材料供給がスムーズになり溶接工程の短縮にもつながっています。
最新機器の導入で曲げ精度が高まり、当たり前のように実施していた曲げ直しの作業を削減しました。1度プログラムを組んでおけば再度入力する必要もありません。オーダーメード品でも過去の類似した事案のデータを活かすことができます。
高効率な曲げ加工システムを構築したことで、クリーンファンユニット10台の製作時間が1440分から1140分に短くなりました。最も時間を要していた曲げ総加工時間を20%減らせたことが大きく貢献しています。受注量拡大に対応できる体制が整いました。

曲げ直し時間短縮

設備導入で作業者の意識にも変化がありましたか?

曲げ加工時間のデータを取って見える化したことで、より早くより正確にという意識が身につきました。

製品の小型化の傾向にも対応しているようですね。

小型製品から長物の加工まで幅広く対応しています。製作時間を削減でき短納期を実現できたことで、より多くの仕事を受注できるようになりました。

今後取り組みたいことはありますか?

金型が自動でセットされる機能やIoTに関連したソフトなど日々ベンダー機は進化しています。さらなる投資も視野に入れたいと思います。


ここがポイント

加工精度の向上と従業員の意識変化に
設備の導入に際し工程分析をして加工時間を見える化しました。従業員の意識変化につながり「よりプロフェッショナルになれる機会になった」と感じています。さらなる技術研さんに努めていきたいです。

会社概要

株式会社ナダヨシ
代表者
代表取締役 植木 剛彦
所在地
〒811-3134
福岡県古賀市青柳194
TEL
092-944-4755
FAX
092-944-4756
URL
http://www.nadayoshi.co.jp/
業種
医療機器向け板金加工など
資本金
1000万円
設立
1981年6月
社員数
17人