研磨機に部品を個別に投入することで部品同士の干渉を抑え、細かな傷のない高品質研磨を実現する

傷を付けない研磨が求められた

自転車のブレーキ部品研磨に一般的なブレーキだけでなくディスクブレーキも加わりました。これまでの研磨は1 槽の回転式バレル機で半日程度の時間がかかりました。槽内には数百個投入するため細かな傷が避けられませんが塗装処理で問題ありませんでした。ただ高額なディスクブレーキはグレードが高いため細かな傷でも要求品質を満たしません。傷を付けず美しく研磨する新技術が求められました。

1部屋1製品で 品質向上

大量の部品を投入する従来の研磨機では細かな傷が避けられません。そこで1部屋に1製品を投入することで部品同士の干渉をなくした、独自の遠心バレル研磨機の製作をメーカーに依頼しました。研磨槽内を120部屋に区切り、各部屋に製品を1個ずつ投入します。一定量の水、メディア(研磨石)、コンパウンド(研削油)を設定し、30分程度の短時間回転させることで、発注元の要求品質を満たすレベルの研磨を実現することができました。
研磨後は製品を取り出し、洗浄・乾燥後に出荷します。

売り上げの半分が自転車部品に

通常の遠心バレル研磨機を使う複数量同時処理では、どうしても製品同士の干渉傷が避けられませんでした。導入した特注研磨機は干渉が起きないため傷が付きません。効果が認められたため大手自転車メーカーから月産3万個の受注に成功しました。
当社は水栓金具から原子力発電所の純水槽まで、小型から大型のさまざまな金属部品を研磨してきました。新型の遠心バレル研磨機の効果は高く、売上高の半分近くが自転車部品に育ちました。

精密機械や医療機器業界へも利用を呼びかける

機器導入で変わったことは?

当社の技術力が上がり、それを外部に認知してもらえたことです。当社にしかできない研磨が市内外に広まりました。

機器導入のメリットは?

従来の研磨法では干渉傷が避けられませんでしたが新製品の導入後は不良率が大幅に下がりました。

今後の展開を教えてください。

独自の研磨機械を導入し効果も確認したので、今後は自転車以外の分野にも業容を広げていきたいです。精密機械や医療機器など傷を付けずに研磨が必要な業界は多いので、利用を呼びかけていきたいです。


ここがポイント

製品に傷を付けずに磨く
1製品1部屋のバレル研磨機導入で傷を付けずに製品を研磨することができます。

会社概要

株式会社矢田部研摩
代表者
代表取締役 矢田部 基弘
所在地
〒800-0115
北九州市門司区 新門司1-8-5
TEL
093-481-4199
FAX
093-481-4174
業種
各種研磨
資本金
1000万円
創業
1978年
社員数
30人