安心・安全なパンづくりに向けた環境整備への一歩
食品業界における衛生管理基準の厳格化への対応
大正時代に和菓子作りを始めました。現在は大牟田市内で「菓舗だいふく」を3店舗構え、多彩な和洋菓子が地域で親しまれています。また、大牟田市の学校給食でパンが採用されたのをきっかけにパン作りを始め、今では1日に約2500食を学校や介護施設などに届けています。 食に対する消費者の目が年々厳しくなり、食品業界にとって衛生管理には細心の注意を払わなければなりません。人手の確保が難しくなる中、製造現場の省力化への対応も背景にありました。

長年使い続けた包装機の刷新による製造現場の環境整備
パンづくりに欠かせないミキサーやオーブンは随時更新してきましたが、包装機は40年近く同じものを使い続けていました。操作にはこつが必要でパンの搬送部分の清掃などで人手がかかるのが課題でした。
長年使い続けてきたことで部品の取り寄せやメンテナンスも難しくなり、新たな包装機の導入を決断しました。以前はフィルムを熱で溶かして包む回転カッター方式でしたが、新たな包装機はフィルム同士を圧着しながら包むボックスモーションタイプとなったのが特徴です。

消費者への安全性の訴求や質の高いパンの提供へ
導入でフィルムの取り換え作業が簡素化した上、基本的な操作を覚えれば誰でもあつかえるほどになりました。かつては手で貼っていたシール類も自動印字機を包装機に取り付けたことで手間を省いています。
以前はキャタピラー状の搬送ベルトでパンくずがたまりやすく、頻繁な清掃が必要でした。新たな包装機はベルトがフラットなため、清掃も容易になっています。
最大の効果は消費者への安全性の訴求でした。金属検出機を取り付け、圧着式の包装となったことで密閉性が高まり、消費者により質の高いパンを届けられるようになりました。

より高い水準を求めた現場へ
設備導入で食品製造に対する考え方に変化はありましたか?
作業の安全性を意識するようになりました。パン作りの現場は作業でケガを伴うリスクが多くあります。熟練者でなくても安全に作業できる環境をつくることが、労災防止や人材確保でも重要だと感じています。
衛生面もさらに意識するようになったようですね。
国際的な食品衛生管理基準である『HACCP』への対応など、今後さらに高いレベルが食品業界に求められています。その時に向けた準備として設備導入を継続的に進めていかなければならないと感じています。
今後、どんなモノづくりで顧客ニーズに応えていきますか?
菓子類では『かすてーら饅頭』の販路拡大に取り組むなど、近年は『単品強化』で自信のある商品づくりに力を入れてきました。現場での生産効率を高めていくことで、利益率向上につなげていきます。

ここがポイント
- 製造現場全体の生産性追求を考える契機に
- 従来は設備単体に着目して刷新を進めてきました。今回の包装機導入は「さらに何が一緒にできるか」との考えから金属検出機や自動印字機も付随するなど、製造ライン全体の改善を意識するきっかけにもなっています。

会社概要
- 代表者
- 代表取締役社長 江戸 健二郎
- 所在地
- 〒836-0842
福岡県大牟田市 有明町2-1-3
- TEL
- 0944-53-3333
- FAX
- 0944-52-5450
- 業種
- パン・菓子類の製造販売
- 資本金
- 3250万円
- 設立
- 1952年3月
- 社員数
- 55人
